「汚れをはじく白いパンツ」の特許加工技術を残すために
「汚れをはじく白いパンツ」の特許加工技術を残すために
山田 敏夫
「汚れをはじく白いパンツ」の特許加工技術を残すために
水、コーヒー、ワインも弾く「汚れをはじくコットンパンツ」はファクトリエの人気商品です。岡山県児島の工場で職人が生地ではなく完成したパンツに独自の「プルーフェクト加工」を施して作られています。撥水効果を持つ溶液に漬け、職人が手で揉み込んでから高温で乾燥させることで、効果が長持ちします。さらに、通気性も良く、蒸れにくいのが特徴です。
「汚れをはじく白いパンツ」の誕生
▲レッドリバー社のきれいな縫製場
開発のきっかけは、私自身が白いパンツにシミをつけてしまい、恥ずかしくて履けなくなったことがきっかけです。この問題を解決しようと、ジーンズ加工で世界的に有名な岡山の工場と共に試作を始めました。
2019年にファクトリエは特許を取得し、撥水力が公的機関により強力であると証明され、メディアでも注目され大ヒット商品となりました。
一般的な撥水パンツは合繊繊維のシャカシャカ音がしますが、このパンツは通常のコットンパンツと同様にコットンで柔らかな風合いを保ち、ストレスなく着用できます。徳島で織り上げた「コットンカツラギ」生地を使用し、日常生活で違和感なく着用できるのが特徴です。
さらに、防水加工は生地の表面を覆うことで水や汚れを防ぎますが、一般的には通気性が失われ蒸れることがあります。
このパンツは空気が通るよう糸に特別な加工を施しており、通気性が確保されて蒸れにくいという特徴があります。
開発のきっかけは、私自身が白いパンツにシミをつけてしまい、恥ずかしくて履けなくなったことがきっかけです。この問題を解決しようと、ジーンズ加工で世界的に有名な岡山の工場と共に試作を始めました。
2019年にファクトリエは特許を取得し、撥水力が公的機関により強力であると証明され、メディアでも注目され大ヒット商品となりました。
一般的な撥水パンツは合繊繊維のシャカシャカ音がしますが、このパンツは通常のコットンパンツと同様にコットンで柔らかな風合いを保ち、ストレスなく着用できます。徳島で織り上げた「コットンカツラギ」生地を使用し、日常生活で違和感なく着用できるのが特徴です。
さらに、防水加工は生地の表面を覆うことで水や汚れを防ぎますが、一般的には通気性が失われ蒸れることがあります。
このパンツは空気が通るよう糸に特別な加工を施しており、通気性が確保されて蒸れにくいという特徴があります。
2022年に起こった、工場閉鎖と「汚れを弾く白いパンツ」販売終了の危機
▲一点、一点、加工されます
2020年からの新型コロナウイルス感染拡大による百貨店やアパレルショップの休業によって、生産依頼が激減し、多くの工場が未来への見通しがつかず廃業しました。
特に海外からのジーンズ愛好家に人気だったジーンズ産地岡山は大きな打撃を受け、「汚れをはじく白いパンツ」を作っていただいていたレッドリバーの荻野社長も縫製工場を閉鎖することを決断。
事業継続のために地元の銀行に買い手(M&A)を探してもらいましたが、残念ながらどの工場も厳しい経営状況の中、買い手は見つからず、最終的に縫製業を廃止することになりました。
2020年からの新型コロナウイルス感染拡大による百貨店やアパレルショップの休業によって、生産依頼が激減し、多くの工場が未来への見通しがつかず廃業しました。
特に海外からのジーンズ愛好家に人気だったジーンズ産地岡山は大きな打撃を受け、「汚れをはじく白いパンツ」を作っていただいていたレッドリバーの荻野社長も縫製工場を閉鎖することを決断。
事業継続のために地元の銀行に買い手(M&A)を探してもらいましたが、残念ながらどの工場も厳しい経営状況の中、買い手は見つからず、最終的に縫製業を廃止することになりました。
「汚れをはじく白いパンツ」を残すために
▲後加工には温度・時間はもちろん、白が汚れない清潔さも重要
汚れをはじく白いパンツの魅力だった3Dパターンデータはレッドリバーより譲り受け、同じ児島地区でファクトリエの提携工場ジャパンブルーへ提供。縫製技術も同様にジャパンブルーに継承していただきました。
さらに「汚れない」ための肝となる製品の後加工技術は同じく児島地区の晃立が継承。2年間の試行錯誤の末、時間はかかりましたが、パターン・縫製・加工それぞれ前作以上の品質を実現し、なんとか販売を再開することができました。
汚れをはじく白いパンツの魅力だった3Dパターンデータはレッドリバーより譲り受け、同じ児島地区でファクトリエの提携工場ジャパンブルーへ提供。縫製技術も同様にジャパンブルーに継承していただきました。
さらに「汚れない」ための肝となる製品の後加工技術は同じく児島地区の晃立が継承。2年間の試行錯誤の末、時間はかかりましたが、パターン・縫製・加工それぞれ前作以上の品質を実現し、なんとか販売を再開することができました。
首の皮一枚、をどう繋いでいくか
▲技術を継承する岡山県児島地区の工場さんたち
日本のアパレル製品の国内製造比率は、過去30年で驚くほど減少しています。1991年には50%を占めていた国内製造比率は、現在(2024年)ではわずか1.5%にまで落ち込んでいます。今後も減少が予想される中、産地内での連携はこれまで以上に重要です。
一昔前の世代は工場内を見せず、技術を隠す傾向がありましたが、30〜40代の世代では工場内の機械や技術をオープンにすることが必要となってきます。そうすることで、例えばブランドから生産依頼がきた際、自社でできないことは産地内の他工場を紹介することもできるはず。
ファクトリエは、産地内で継承工場が見つからない場合でも、日本各地から適切な工場を探せる強みを持っていますし、今後も日本の優れた技術の継続と一層の発展に力を注いでいきたいと考えています。
日本のアパレル製品の国内製造比率は、過去30年で驚くほど減少しています。1991年には50%を占めていた国内製造比率は、現在(2024年)ではわずか1.5%にまで落ち込んでいます。今後も減少が予想される中、産地内での連携はこれまで以上に重要です。
一昔前の世代は工場内を見せず、技術を隠す傾向がありましたが、30〜40代の世代では工場内の機械や技術をオープンにすることが必要となってきます。そうすることで、例えばブランドから生産依頼がきた際、自社でできないことは産地内の他工場を紹介することもできるはず。
ファクトリエは、産地内で継承工場が見つからない場合でも、日本各地から適切な工場を探せる強みを持っていますし、今後も日本の優れた技術の継続と一層の発展に力を注いでいきたいと考えています。
こちらもぜひお読みください:
日本の縫製工場の現状と私たちが取り組むべきこと
日本の縫製工場の現状と私たちが取り組むべきこと
最後までお読みいただき、ありがとうございました。ファクトリエは、職人の情熱と技術がつまった語れる日本製の洋服をお届けするメイドインジャパンの工場直結ブランドです。ひとつひとつにストーリーがある商品を、ぜひご覧くださいませ。
汚れをはじくコットンパンツ(メンズ)
汚れをはじくコットンパンツ(レディース)
この記事にいいね
山田 敏夫
ファクトリエ代表です!月の半分以上はアパレル工場やものづくりの現場に訪問しているので、職人の魅力をはじめ、地方のグルメや活躍されている異業種の職人さんたちの語れるストーリーをお届けしています!
山田 敏夫
17
小林 正樹
0
人気記事