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心の充実感につながる靴作り。インターナショナルシューズの挑戦

心の充実感につながる靴作り。インターナショナルシューズの挑戦
心の充実感につながる靴作り。インターナショナルシューズの挑戦
工場・職人紹介
羽田野 真衣
こんにちは!ファクトリエ銀座店コンシェルジュの羽田野です!

今回は大阪・大国町にある革靴工場「インターナショナルシューズ」に訪問して、専務の上田誠一郎さんに色々とお話を伺ってきた内容を対談形式でお届けしていきます。

上田さんの靴にかける想いが知れる内容になっているのでぜひ最後まで読んでくださいね!
太鼓屋や手袋屋など大阪の皮革の街で
60年以上にわたり、革靴を作り続ける
今日はよろしくお願いします!
上田誠一郎(うえだ・せいいちろう)です。よろしくお願いします!
インターナショナルシューズは、大国町で何年くらいやってるんですか?
1954年にこの場所で創業して2020年で66年目になります。
そんなに長くされているんですね!大国町で革靴を作り始めた理由はありますか?
もともとこのエリアでは革製品や食肉関係の仕事が多い地域でした。
革の街。
はい、その影響で革靴、手袋、かばん屋さん、太鼓屋さんなどがあったりして。まさに皮革製品の街になってますね。
家業に戻ってきて分かったのが
「最終ゴールを共有すること」の難しさ
上田さんは靴の販売業を東京で一時されていて、インターナショナルシューズに戻って継いでいく立場になられたと思います、家業に戻ってきてから苦労した点はありますか?
うーん、難しかったのは、社内で「最終ゴールを共有する」ということですね。何がぼくたちの目標なのかを理解してもらい、作っている人全員が一つの目標に向かって走る、ということをしっかり腹落ちして理解してもらうのが難しかった。
最終ゴール、というのはどういうことですか?
私が販売員として靴を販売していたからこそわかったことなんですが、やっぱりものづくりは履いていただくお客様に喜んでいただく、というの一つのゴールじゃないですか。
ですね。
でも、ものづくりの職人はその最終ゴールを見据えた視点ではなくて、作業をやることがゴールになってしまう。
作業が目的になるということですね。
そうなんです。もともと製造から入ってずっと製造していて、もちろん、実際の売り場で接客した経験がないこともあって、工場で靴を作ってる人がいいと思う靴と、売り場でいいと思う靴がずれる場合があるんです。
へぇ。具体的にどういうずれがあるんですか?
例えば、革に傷が入ってるとか、左右で色が違うとかですね。
私たち消費者からすると大切に思う部分ですが、そこに感覚のずれが!?
はい。一枚の革を裁断すると多少そういう違いや傷はあるが、それはしょうがないと思う部分が製造側にあったりしました。
なるほど。
でも、羽田野さんもおっしゃったとおり、実際にお客様が履きたいのは、左右対称だったり、傷がないきれいなものじゃないですか。なので、そういう部分のずれを直していくのは最初苦労しましたね。
作った靴が掲載されている雑誌を
社内で共有しまくりました
苦労されたときに工夫したことはありますか?
製造業は販売業や営業と違って、数値目標がないんですよね。
たしかに。
この数値目標がないことによって、モチベーションを保つことに苦労しました。例えば、「今日はヒールを何本打ったから、こういう成績が~」みたいなことがないんです。
作った数で個人成績を付けるのもちょっと違う感じがしますよね。
はい。そこでどうやったらいいかなぁと思っていたら、OEM先(=受託生産先)のブランドの靴がよく雑誌の掲載されることを知って、弊社が作った靴が載ってる雑誌を買ってきて、切り抜いたり、コピーしたりしてみんなに配ったりしましたね。
掲載されてるぞ!と伝えまわったんですね!
そうなんです。職人さんに「私たちが作った靴がこういう雑誌に載ってるんですよ。だからここに載っても恥ずかしくないような靴を作っていきましょう」というのを毎日のようにやっていきましたね。
とても素晴らしいと思います。最終形態の価値を見える化して共有していったんですね。でもうまくいったんですか?
最初はみんな「ふーん」って感じでした(笑)。でも、だんだん自分たちが作ったものが、ちゃんと誰かに届ているんだっていうのを認識し始めた、というのがとても大きくて。
まず認識することがファーストステップですよね。ちなみに変わってきたな、と感じられますか?
感じますねとても。製造工程で傷が出たとか、不良がちょっと出た、という場合、今までだったらそのまま最終工程まで来てしまっていたんです。
これまでの作り手なら、その傷が付いた革のまま完成していた、ということですね。
はい。でもいまは、「途中でこういう傷が出たけど、交換する?どうする?」という話し合いが増えたりしていて、ここはすごくよかったですね。
「三代目」という職業があると思ってました(笑)
ちなみに、上田さんはどういう想いで継ぐのを決めたんですか?
きっかけはいろいろあったんですけど、一番大きいのは祖父の存在ですね。
一代目ということですか?
そうです。創業者である祖父なんですが、ずっと二世帯で住んでいたこともあって、小さいころからすごくかわいがっていただいていました。
とても身近な存在ですね。
「お前は三代目だ!三代目だ!」と小さいころから育てていただいていたので、当時は「三代目」という職業がある、と思ったくらいです(笑)。
へぇ(笑)。
で、私が高校生の時に祖父は他界したんですが、大学卒業してファッションに携わる仕事がしたいと思って就職して、ある程度前職でキャリアを積ませていただいて、次どうしようかなぁと思っているときに、生前の祖父に「インターナショナルシューズは誠一郎が守ってほしい」と言われたのをすごく覚えていて、それで戻ろうと思ったきっかけですね。
そういった想いなんですね。戻ってきて数年たたれていると思いますがどうですか?
どうですかねぇ。大変なことが多いです(笑)。でも自分たちの作ったもので人々の日常が豊かになる瞬間を作れるっていうのは、ぼくらものづくり企業の一番素敵な部分だなと思います。
ファクトリエが提携している多くの工場の皆さんも同じことおっしゃいますね。
そうですよね。そして、体験とかと違って“形に残る”というのが、やっぱり僕たちができる素敵なことなのかなと思います。
レディース革靴工場が
ユニセックスの「スニーカー」に挑戦
次にお伺いしたいのが、ファクトリエの行動指針にもあるんですが「挑戦」されていることってありますか?
自社ブランド「bright way」というスニーカーブランドを始めたんですが、初めてのメンズの靴にチャレンジしていますね。
私も愛用させていただいております。
自分たちのものづくりの魅力を伝えながら、靴を履いて出かけるのが楽しくなる時間を提供していきたいなと思っていまチャレンジしてます。
レディースの革靴工場のノウハウが詰め込まれているので、女性だけでなく男性にも評判です。
ありがとうございます。本当にうれしい限りです。
そのほか、チャレンジされていることはありますか?
いまこういう状況下なので難しいですが、ものづくりの現場をさらに感じていただきたいということで、「工場ツアー」みたいなこともやっていけたらなぁと考えています。
工場ツアーはファクトリエでも(コロナ前は)毎月実施していましたが、物への愛着が一気に高まるんですよね。職人さんと触れ合ったり、「こうやって作っているのか!」というを知ることで。
そうですよね。いまはそれがすぐできないけど、YOUTUBEやコンテンツを通じて、魅力を伝えていけたらなぁ、というそういう感じです。
上田さんは本当に取材に熱心に協力いただけるのでとても嬉しいんです。
そうですか。ありがとうございます。
(私が取材した)別の動画コンテンツでも、職人さんに話をお聞かせいただいたりとか、ものづくりの現場の面白さを伝えさせてくれるというのは、そういった工場の魅力をお客様に伝えたいという想いがあるからなんですね。
▲わたくし羽田野が取材したインターナショナルシューズの職にさん取材動画。ぜひこちらもご覧ください!
そうですね。物を買うという行為自体は買ったら終わりで、それだけで完結しちゃうんですが、その物がどうやって生まれたのかとか誰がどんな思いで作ったのかを知ると、その物を使う時の「心の充実感・豊かさ」というのにすごくつながる気がしています。
まさに私がそうですね(笑)。とても心があたたかくなります。
そういう気持ちになると愛着を持って長く使っていただけると思うので、靴を作って販売する、だけじゃなくて、想いやストーリーをしっかり伝えていきたいなというのはすごくあります。
最後に、この記事を見てくださっている方々にメッセージをお願いします!
世界中で靴もそうですし、物ってたくさん溢れているんですが、そんな中で大阪の小さな工場でお客様に喜んでいただくために一生懸命頑張って作っているというのをこういうコンテンツを通じて、一人でも多くの方にお届けできたらなと思っております!
ありがとうございます!
いかがでしたでしょうか?

上田さんの心の充実感、心が豊かになる靴作りという想いがとても心に響きました。持っているものすべてにそういう感覚を持つことは難しいかもしれませんが、身に着けるもの一つだけでもそんな想いになれるアイテムがあると、いいですよね。

それではまた。
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羽田野 真衣
お客様サポートや直営店リーダー等、幅広く担当しています!これまで約1,000人のカラー診断を行った経験から似合う色だけでなく、自分と向き合うお手伝いができればうれしいです。職人の想いだけでなく、モノ選びのコツもお届けしています!