Special Contents Interview 大草直子

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うっとりとするカシミヤニットの着心地。

湿度の高い日本では真冬に着るものというイメージが強いカシミヤですが、吸湿性や発汗性があり暑い時には涼しく寒い時には温かく、ヨーロッパなどでは一年中着られている素晴らしい天然素材です。「ニットのコーディネートの幅を広げたい。重ねて着ることの多いニットを一枚で着るには?」と、今回の素材にカシミヤを選んだ大草さん。触れた瞬間に虜になる最高のカシミヤニットアイテムが完成しました。永く愛される一着になることは間違いありません。

「気持ちや物がきちんと残る取り組みに」

Q.今回のチャリティー企画に協力頂いた思いを教えて下さい。

A. ファクトリエ代表の山田くんとは4、5年前からお付き合いがあり、彼の地元の熊本地震の時に「大丈夫?」と声をかけました。私は東北の震災の時にチャリティー企画を立ち上げて、すべて手弁当で福島のアパレル工場の方とものづくりをした経験があったので、熊本の震災でも何かやれないかなという話になりました。ただ、チャリティーという背景があっても、せっかくやるのであれば1回で終わらない「気持ちや物が残ること」をしたいという思いが強くありました。また、こういう取り組みは、人の声は多くて、大きい方が絶対に良いと思っています。そこで、普段から信頼し尊敬し合う友人の望月さんと三尋木さんのお二人に声をかけて協力してもらうことになりました。同じ業界に身を置く私たちですが、それぞれのフィールドがあるので仕事でご一緒することはありません。メディアや職種を超えて快く賛同してくれた二人に感謝です。私たち3人にとっても、ファクトリエと山田くんだからこそ集まれた、とても貴重なプロジェクトになったと思っています。

「製品の仕上りには必ず人柄が出る」

Q.ファクトリエのコンセプトである日本製という部分で感じた違いはありますか?

A. 今まで私たち女性誌のメディアでは、物とお店の間のことは伝えても、物とつくる人の間のことは伝えてこられなかったと思っています。野菜でもそうですが、環境などのバックグラウンドはとても気になりますよね。ところが洋服になると着こなしが中心で、女性はものづくりの背景に興味がないと思い込んでいたところがあるなと。4年程前から「ものができる背景」を伝えたいと思うようになって、私も国内のアパレル工場に伺うようになりました。工場で働いている方々が愛情と時間をかけていること、そしてその人柄が製品にすべて出るということを知りました。面白いことですよね。今回企画したカシミヤのニットをつくってくださった岩手県にある「UTO」さんも、本当に真摯なお仕事をされているなと。工場で働くみなさんが明るくて朗らかで品のあるカシミヤのような人柄で、当然ニットも惚れ惚れするような仕上りです。今後もぜひ物づくりをご一緒できたらと思っています。

着こなし広がる“大草流スタイリング”

Styling1

LARGE STALL × MIX MATCH

大きく使って色や季節とミックス

大判ストールは縦ラインを意識して大きく使う。

夏の終わりはTシャツやタンクトップに、秋口にはレザーのブルゾンに羽織って、真冬はコートにと幅広く使える大判ストール。あえてカラーを統一せず、靴やバッグなどの小物に季節感のあるアイテムやカラーをミックスしたスタイリングがオススメです。

Design point ①
「大きさと素材感」広げて羽織ったり、シャーリングさせて巻物にしたりと使い方もコーディネートも自由な大判サイズのストールです。首元や顔まわりに空気のヒダができると女性の印象が優しく見えます。最高級のカシミヤの柔らかさと軽さを活かした美しいシャーリングを楽しんでください。

Styling2

CARDIGAN × ACCENT

ひと癖あるアイテムで新鮮に

前と後ろで表情が変わる両A面カーディガン。

羽織でも一枚でも幅広く着こなして欲しいという思いから、クルーネックの前面でもVネックの後ろ面でもOKの両側A面のカーディガンをつくりました。ベーシックな印象の強いカーディガンは、ひと癖あるアイテムと合わせてアクセントをつけて着こなしてください。

Design point ①
「両側A面仕様」クルーネックとVネックの二つの顔が楽しめる両側A面のデザイン。美しい首もとの開きにこだわった両面パーフェクトな仕上りです。

Design point ②
「袖口の編み」着るほどに伸びてしまいがちな袖口。手首の部分を更に細かく設計し編み立てているので、永く愛用しても袖口が伸びる心配がありません。

Design point ③
「ボタン」上品に馴染むブラウンのボタン。揃えることが難しい色見なのですが、大人の品を追求して選んだこだわりのボタンです。

Styling3

TANK TOP × TREND STYLE

トレンドを取り入れて素朴をカバー

シンプルなタンクトップはトレンドで挑戦的に。

素朴な印象になりやすいニットアイテム。シンプルなタンクトップは、モードに冒険するなどトレンドを取り入れたスタイリングがオススメです。前後の丈に差をつけているので前だけインして一枚でも◎。カーディガンと合わせてツインで着ても素敵です。

Design point ①
「前後の丈」ニットの素朴さをカバーするために前後の丈に差を付けました。Tシャツやシャツのような感覚で着方のアレンジが効く着こなしやすいデザインです。

「着る時に思い出せるものづくり」

今回のチャリティー企画は、大草さんと山田の二人の会話から始まりました。「物を押し付けるのではなく、消費者の方に商品の価値を評価して購入して貰いたい。そして、その着心地を通じて今回のプロジェクトを思い出してもらえればベスト」と話す大草さん。「ファクトリエは、ものづくりに関わった人全員が勝つという商売の一番の基本を目指している。出会った頃からブレない山田くんの行動力や情熱をこれからも応援します」。大草さんの素敵な言葉を大切にこのチャリティー企画をたくさんの人に届けたいと思います。

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