肌にやさしく冬に暖かい服・素材の選び方・着方

「あったか素材」を使った服や肌着を着用して、肌トラブルやかゆみを起こしてしまう方もいます。寒いのは嫌だけど、肌トラブルは起こしたくない。そんな敏感肌の方に、肌に優しく、冬に暖かい服の選び方をご紹介します。

暖かく、肌にもやさしい素材とは?

寒い季節において、肌に優しくかつ温かさを提供する服選びは重要です。化学繊維の組み合わせで、暖かく安価なヒートインナーなどが人気ですが、肌トラブルやかゆみを起こす人もいらっしゃいます。今回、肌にやさしく、暖かい素材を選びました。

1)メリノウール

メリノウールはおすすめの素材の一つ。メリノ種の羊の毛(天然繊維)であり、通常のウールとは異なります。一般的にウールはチクチク感があるとされますが、メリノウールは繊維が細く、柔らかな肌触りから快適に着用いただけます。優れた特性の一つは、卓越した保温性能です。外出時にも体温を一定に保ち、寒さから身を守ります。同時に、湿度を調整しやすいため、蒸れずに快適な状態を維持してくれます。

メリノウールは、特に肌着として着用するのがおすすめです。肌に直接触れる部分にメリノウールの肌着を選ぶことで、その柔らかな素材と保温性能を最大限に活かすことができます。また、放出性があり湿度調整も得意なため、長時間着用しても快適な状態を続けられます。冬は寒く乾燥しますので暖かさだけでなく、肌への優しさも考慮したいですね。

2)カシミヤ

カシミヤは、ヤギの中でも特に希少で高品質な毛を持つ”カシミヤゴート(ヤギ)”から取れる毛です。その柔らかな質感と優れた保温性から、冬の衣料品において贅沢な素材として知られています。カシミヤゴートの毛は、ヘアーという表面を被っている剛毛と、ヘアーの内側にあるうぶ毛の2種類あります。このうぶ毛は大変細く、弾力性があり、セーターや服地に使われています。

カシミヤは他のウールと比べても優れた保温性が特徴です(一般的なウールに比べ30%軽く、8倍暖かいとも言われています)。微細な繊維が生み出す空気の層が体温をしっかりと保ち、寒冷な気温から守ってくれます。同時に、肌に優しく、痒みやかゆみを引き起こすことがありません。そのため、敏感肌の方やウールのちくちく感が気になる方でも快適に着用いただけます。

3)コットン x ウール

ウールは優れた保温性があり、コットンは通気性があり肌触りが良い、という両素材特有の良さがあります。それらが組み合わさることで快適な着用感が実現します。肌への刺激が少なく、かつ暖かさを確保できるため、冬季のスキンケアにも配慮した素材と言えます。どんな商品があるかコットンxウールの素材を活かした商品には、セーターやカーディガンなどがあります。これらのアイテムは、ウールの保温性とコットンの柔らかさが融合して、冬の寒さに対応する理想的な選択肢となります。

冬は、肌が乾燥しやすい季節でもあります。コットンxウールの素材は保湿効果も期待でき、乾燥からくる肌トラブルを軽減します。適切な着用方法と共に、これらの素材を取り入れて冷え知らずで、かつ健やかな肌をキープしましょう。

肌にやさしく、トラブルを起こしにくい着合わせ

敏感肌の方が繊維摩擦トラブルを起こしやすい部分は首元や関節裏、肌の内側部分です。インナーがまず最初に肌と接しますので、肌に優しい素材がおすすめです。

メリノウールインナー×シャツ×カシミヤマフラー×カシミヤコート

首周りのかゆみは、摩擦によって引き起こされることがあります。かゆみを軽減するためには、首周りに直接触れるアイテムに注意が必要です。柔らかく、肌触りの良いカシミヤで首周りを保護して温めるのがおすすめです。ウール素材を使用する場合には、首に直接当たらないようにシャツやハイネックのアイテムを活用すると良いでしょう。

メリノウールインナー×コットンのトップス×コットンのパーカー

肌にやさしいコットン素材のカットソーもおすすめです。Tシャツやボートネックなど首を締め付けないデザインで、リラックスできるサイズ感を重視しましょう。だたし、コットンの保温効果は少ないので、冬はメリノウールのインナーと組み合わせましょう。シンプルながら着心地の良いスタイリングで、肌トラブルと冷えを同時にケアできます。コットン中心のコーディネートは静電気対策にも効果的です。

メリノウールインナー×コットンのトップス×カシミヤマフラー

コーディネートとしては、トップスとしてのセーターや首元を覆うマフラーとして広く愛用されています。カシミヤのセーターは軽量で保温性が高く、インナーの上に一枚着用するだけで暖かいです。首元のマフラーは、軽くて肩が凝らないのはもちろん、寒風からしっかり首元を守ってくれます。

「カシミヤ」製品を選ぶ際には品質を重視し、正しいお手入れをすることです。帰宅したらブラッシングするなど、適切なケアを施すことで、長く美しい状態を維持できます。

メリノウールインナー×コットンのカットソー×コットンのシャツ

静電気は冬季の乾燥した空気によって引き起こされがちです。静電気を抑えるためには、天然繊維の衣料品を選び、合成繊維との組み合わせをできる限り減らすことが重要です。コットンやウール、シルクなどの天然繊維を含んだアイテムを組み合わせることで、静電気の発生を最小限に抑えられます。

インナーには、暖かくて肌にやさしい素材があると安心感が増します。通気性があり湿度調整が得意なメリノウールは理想的な素材です。コーディネートとしてトップスにコットンやシルクの肌触りの良い素材を選び、これを基本として寒ければコートやダウンのアウターを着ることで、保温性を高めつつ、肌にやさしい組み合わせが実現できます。

アウターとの組み合わせは?

冬のアウター選びにおいて、肌への刺激を最小限に抑え、かつ保温性を確保するために大切なポイントはなんでしょうか。

コットンのカットソー×ウールのジャケット×ウール素材のダウン

肌が弱い方には、柔らかくて肌触りの良い素材が適しています。天然繊維の中でもコットン、シルク、メリノウールがおすすめです。これらの天然繊維には通気性があり、湿度を快適に保ってくれます。また、化学繊維や粗い糸を使用したものは肌に摩擦を与える可能性があるため避けるべきです。 また、軽量で暖かいアウターはストレスを解消してくれますので、軽量かつ保温性の高いダウンはおすすめです。

メリノウールのインナー×ウールのセーター×カシミヤのコート

肌にやさしく暖かさを提供する理想的なコートは、カシミヤです。保温性に優れ、同時に肌触りが柔らかく、かつ軽量で着心地が快適です。首まわりに配慮し、肌に直接触れる部分を少なくすることでかゆみの原因も抑えられるでしょう。
ウエストベルトの付いたスタイリッシュなデザインは、防寒対策と美しさを両立してくれます。肌荒れを最小限にし、優雅な冬のファッションの装いの一つとなるでしょう。
ウールのニットでかゆくなりがちな方は、メリノウールのインナーを中に着用してください。暖かさが増すだけでなく、かゆみ対策にも効果的です。

寒い季節において、肌にやさしく温かい服を選ぶことは、健康な肌を維持するために大切なことです。今回は、肌への刺激を最小限に抑えつつ、肌の快適性を確保するための素材の選び方や着用方法を解説しました。

化繊インナーをできるだけ控え、天然繊維のコットン、メリノウールの組み合わせが肌にとって理想的であり、柔らかな肌触り、通気性、保湿効果を持つこれらの素材は、肌を良い状態に保つ助けとなります。また、首回りのデザインや軽さについてもお伝えしましたが、どれも肌の状態を確認しながら、試していただければと思います。
肌は冷えや乾燥に敏感であり、適切なケアが求められます。冬の装いはその一環であり、心地よい素材と着こなし方を選ぶことで、肌トラブルのリスクを最小限にし、寒さに負けない美しい肌を手に入れることができるでしょう。