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全身「粉吹き肌」のときの服選び・スキンケア

全身「粉吹き肌」のときの服選び・スキンケア

冬の厳しい乾燥で、乾燥肌・敏感肌の悪化による「全身粉吹き肌」状態になっているときは、白い角質が服に付着するので、服選びがとても難しいです。特に濃い色の服に付着すると気になりますよね。そのような悩みをお持ちの方向けに、大切な全身スキンケアと、肌にやさしく油性の薬やクリームと相性のよい繊維・素材をお伝えします。

ファクトリエ代表 山田敏夫
熊本県出身。創業100年を超える老舗洋品店に生まれる。大学在学中、フランスに留学しグッチ・パリ店で勤務。一流のものづくり、商品へのこだわりなどを学ぶ。2012年、工場直結ジャパンブランド「ファクトリエ」を展開するライフスタイルアクセント株式会社を設立し、これまで700以上の繊維工場を訪問。2023年、服で負の課題を解決する新規事業「かかりつけ衣」を開始し、自身がアトピー性皮膚炎であることから「かゆみ対策インナー」を開発。著書「ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす服革命(日経BP)」

粉吹き肌の原因と重要なスキンケア

健康な皮膚では、皮脂膜、角質層の天然保湿因子、角質細胞間脂質の保湿要素が、常に水分を保持し、バリア機能を保っています。また、角質層は常に表皮細胞層から水分の供給を受けており、十分な水分が保たれているうちは、みずみずしい健康な皮膚でいられるのです。ところが、なんらかの原因で角質層の水分保持機能が損なわれると、乾燥肌になってしまいます。

粉吹き肌はこのように極度の乾燥肌状態にあり、皮膚のバリア機能が壊れている状態となります。この状態を放置すると、かゆみやヒリヒリなどの不快な症状が発生する可能性があります。まずは皮膚科を受診し、医師から処方される薬の使用が最も効果的です。自己判断や市販品に頼らず、医師の指示に従うことが重要です。

また肌が乾燥している際は、こまめに保湿剤を塗ることが必須です。保湿剤は肌の水分を補給し、バリア機能の修復を促進します。保湿剤は医師に相談し、できるだけ皮膚に優しいものを選びましょう。

粉吹き肌状態のときの服選び

まず、全身に油分が多い保湿剤を塗布する必要があるため、肌着は保湿剤と相性が良い繊維で選びましょう。そうすることで保湿効果を最大限に引き出すことができます。

症状を悪化させる要因に、肌着や衣類の摩擦による刺激があります。実は、肌着や衣類を着ているだけで皮膚に負担がかかるのです。歩いたり座ったりすれば、布地が皮膚にこすれてダメージを受けてしまいます。できる限り、肌に刺激を与えない柔らかく通気性のある素材の衣服を選び、締め付けがないゆったりとした着心地を心掛けましょう。特に首周りや手首など、肌に直接触れる部位には肌に優しい素材の肌着を選択することも重要です。肌への刺激を最小限に抑え、快適な着心地を保つことを意識してください。

さらに、剥がれた角質が付着しにくい特性を持つ繊維を採用し、それらが目立たない色の服を選ぶことも留意すべきです。

以下を参考にして服選びをしてください。

1)肌着はメリノウール素材を選ぶ

メリノウールは優れた素材として注目されています。メリノウールは最も油分の多い保湿剤との相性が良いとされていることがおすすめする第一の理由です。保湿効果を最大限に引き出し、肌の乾燥を防ぐ役割を果たします。粉吹き肌に悩む方々にとって、メリノウール製品は積極的に検討すべき選択肢と言えるでしょう。

(画像提供:ザ・ウールマーク・カンパニー)

こちらのグラフは、各種繊維の界面自由エネルギー比較になります。ウールは他の繊維に比べて界面自由エネルギー(SFE)が低く、繊維表面に水や油が貼りつきにくいとされています。
例)コットン:200なので、ウールの約10倍貼りつきやすい
さらに、メリノウールは肌の湿度を一定に保つ機能があります。これは、肌の水分バランスを維持することで、乾燥やかゆみなどの症状を軽減します。粉吹き肌の方にとって、安定した湿度環境は肌への優しさにつながります。またメリノウールは摩擦が少なく、肌に優しい天然素材としても知られています。繊維の柔らかさと適度な伸縮性が、肌に対する刺激を最小限に抑え、快適な着心地に。肌に敏感な粉吹き肌の方でも安心して着用できるでしょう。

2)首や手首・足首など肌に触れる服は天然素材を

肌に触れる服の素材は重要です。天然素材の中でも、コットン、シルク、メリノウールなどがおすすめの素材です。生地は肌に触れる部分が多いため、肌の健康に直結します。コットンは通気性があり、シルク・メリノウールは肌への刺激が少なく、いずれも肌に優しい特性を備えています。できるだけ天然素材を選ぶことで、不快な症状を軽減できます。

綿・シルク・ウール比較表

綿 シルク ウール
(メリノウール)
吸湿・吸水性
放湿性 ×
肌への刺激・摩擦
お手入れの簡単さ
(乾燥機OK)

(乾燥機漂白剤NG、日陰干し)

(乾燥機NG)
薬・保湿剤の付着 ×
(吸い取りやすい)
×
(変色しやすい)

(付着しにくい)
お値段
(安い)

(高価)

(高価)

摩擦や刺激が少ないことは重要なポイント。首や手首、足首など、肌に直接触れる場所は特に擦れやすく、敏感な部位でもあります。このため、天然素材の中でも首をしっかり保護できるタートルネックがおすすめです。首周りの保護は摩擦や外部刺激から守り、快適に過ごしていただけると思います。

3)粉吹きが目立たない色・付着しにくい繊維を選ぶ

粉吹き肌では肌が乾燥し、角質が剥がれやすくなるため、服に付着した角質が目立ってしまうことがあります。そこで暗めの色ではなく、できるだけ淡い色・柄を選びましょう。

次に、付着しにくい素材も重要です。付着しにくい素材としては、繊維が肌に滑らかで、角質が付きにくいものが適しています。ザラザラしたリネンよりも、つるっとした肌触りのコットン、シルク、ウールなどの天然素材がおすすめです。これらの素材は肌に優しく、かつ肌への刺激が少ないため、肌にも適しています。

例えば、淡い色合いのコットン素材は、見た目にも肌にやさしく、角質の付着も目立ちにくいため、粉吹き肌の方に適しています。

粉吹き肌状態のときにおすすめできない服装

粉吹き肌の時に、できるだけ選ばない方が良い服装があります。

1)化学繊維のセーター・フリース×黒・ネイビーなど濃い色の服

まず、化学繊維は避けましょう。合成繊維は通気性が低く、肌に刺激を与えやすいため、粉吹き肌には不向きです。ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は肌を刺激し、かゆみや炎症を引き起こす可能性が高まります。化学繊維の多くは吸湿性が低く速乾性が高く、皮膚が乾燥しがちです。静電気も起きやすいので、チクチクとしたかゆみを感じるようになります。乾燥するほど、静電気も起きやすくなります。発熱下着は熱がこもって、かゆみやあせもを起こすことがあります。

メリノウール コットン 化繊インナー
吸水性
速乾性 ×
低摩擦 ×
ニオイ対策

2)スキニージーンズなどのタイトなシルエット

また、タイトなジーンズなど肌に密着するような服も慎重に選ぶべきです。

肌への摩擦や圧迫が激しいとかゆみや痛みを引き起こす可能性が高まります。ゆったりとした着心地の服が、肌に対する負担を軽減し、快適さにつながります。タイトなシルエットの場合、衣類の縫い目やタグが皮膚に当たることで、かゆくなることもあります。

肌が極度に乾燥し、バリア機能が弱まる中で、適切なケアが不可欠です。特に、服選びは肌に直接触れる部分が多いため重要。柔らかく通気性があり、肌に優しい素材を選びましょう。その点を踏まえ、天然素材の中でも保湿剤を吸収しないメリノールが特におすすめです。また、淡い色合いや付着しにくい素材を選ぶこともポイントです。肌の乾燥により角質が剥がれやすく、服に付着してしまうことがあります。

かゆみ対策インナーは、乾燥肌や敏感肌の方のための肌にやさしいインナーです。メリノウールの中でも17.5マイクロンという微細な繊維「スーパー・エクストラ・ファイン・メリノウール」は、柔軟性が高く肌への刺激が少ないとされています。また、呼吸するかのように吸湿・放湿し、調湿機能があり、まさに第二の皮膚とも言えるインナーです。保湿効果と共に軟膏を吸着しない機能性も備えていますので、一年を通して安心してご使用いただけると思います。