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敏感肌・アトピーの方の冬の肌着・パジャマの選び方

敏感肌・アトピーの方の冬の肌着・パジャマの選び方

敏感肌やアトピーなど、乾燥する冬に肌トラブルでお悩みの方は特に肌着やパジャマ・ルームウェアなどに気を使いますよね。
普段着や外出着と違って、寝転ぶことが多く、肌への摩擦などの負担が大きいのがパジャマなどの「部屋着」。敏感肌でも安心して着ることができる、肌にやさしい衣服や繊維を選びたいですよね。ここでは、肌が乾燥してより敏感になりやすい冬でも、肌にダメージを与えにくい肌着・部屋着・パジャマの選び方をご紹介します。

ファクトリエ代表 山田敏夫
熊本県出身。創業100年を超える老舗洋品店に生まれる。大学在学中、フランスに留学しグッチ・パリ店で勤務。一流のものづくり、商品へのこだわりなどを学ぶ。2012年、工場直結ジャパンブランド「ファクトリエ」を展開するライフスタイルアクセント株式会社を設立し、これまで700以上の繊維工場を訪問。2023年、服で負の課題を解決する新規事業「かかりつけ衣」を開始し、自身がアトピー性皮膚炎であることから「かゆみ対策インナー」を開発。著書「ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす服革命(日経BP)」

敏感肌さんが「冬の肌着・パジャマ」選びで気をつけて欲しいこと

冬の寒さや乾燥が敏感肌やアトピーの方にとって肌トラブルを引き起こすことがあります。適切な肌着やパジャマの選び方は重要です。まず、天然繊維である衣類を選ぶことが大切で、できるだけ摩擦が少ない素材を選びましょう。さらに、保温と保湿の観点から検討することも重要。特に、冬の乾燥が激しい時期には、ボディークリームなどの使用頻度も上がります。そのため、肌着やパジャマの素材との相性も考慮することが大切です。正しい選択をすることで、寒さや乾燥からくる肌トラブルを最小限に抑え、冬を快適に過ごすことができます。

・肌にやさしい天然繊維である
・保温性が高い(冷えにくい)
・適正湿度を保つ(蒸れないけど、しっとりしている)
・油性クリームと相性がよい

敏感肌の冬の肌着・パジャマは「メリノウール」一択

天然繊維は綿、シルク、ウールがありますが、冬は肌にやさしいウールとして名高い「メリノウール」一択です。ではなぜ冬にメリノウールが良いのか、その理由を解説します。

理由1)滑らかな肌触り

敏感肌やアトピーの方にオススメの冬の肌着・パジャマの選択肢として「メリノウール」があります。メリノウールは繊維が非常に細かく、柔らかいので、他のウールと比較して繊維の刺激が少ないと言われています。肌との摩擦が少なく、滑らかな感触が得られるため、敏感肌やアトピーの方にとって快適に過ごしていただけます。

理由2)抜群の保温性

メリノウールの繊維は非常に細かく、生地に余分な厚みを加えることなく保温性を高めることができます。繊維のキューティクルに空気が含まれ、断熱効果が向上します。保温性が高いため、冷えや乾燥からくる肌トラブルを最小限に抑え、温かい環境を提供します。

理由3)適正湿度を保つ機能

提供:ザ・ウールマーク・カンパニー

メリノウールの繊維は湿気を吸収しやすく、一方で、湿度が高まるとメリノウールはその湿気を外部に放出する特性があります。これにより、肌が適切な湿度を保ちながらも、蒸れにくく快適な状態を維持します。
汗の中には皮脂やタンパク質や、塩分、抗菌物質、マラセチア(カビの一種)、黄色ブドウ球菌などの成分が含まれると言われます。それらが生地に残ることで特にアトピーや湿疹などの皮膚疾患がある方にとっては悪化の原因となり得ます。メリノウールの湿度調整機能は、このようなリスクを軽減し、肌にストレスをかけずに過ごすための一助となります。

理由4)油性クリームとの相性

敏感肌やアトピーの方は、お風呂上がりにボディークリームや薬を塗布することが多いため、その際に肌着がこれらのクリームを吸収してしまわないことが重要です。メリノウールの繊維の表面は疎水性が高く、油性クリームも疎水性(水に溶けにくい性質)を持っています。この疎水性の特性により、メリノウール繊維の表面には水分や油分が浸透しにくく、吸収されにくいという特性が生まれます。

理由5)眠りに入りやすいという研究結果も

提供:ザ・ウールマーク・カンパニー

メリノウールが眠りに入りやすいという研究結果には、睡眠の質に及ぼす効果が見られる背景には科学的な根拠があります。シドニー大学の研究者らが行った最近の研究では、室温17°Cにおけるウール製とコットン製スリープウェアの比較で、ウールを着用した場合に入眠時間が大幅に短いという結果が得られました。
この効果の理由の一つは、ウールは通気性にも富んでおり、湿気を効果的に逃がすことができるからです。これにより、寝汗や湿気による不快感を軽減し、快適な睡眠環境を提供します。独自の繊維構造がこれらの特性を生み出し、結果としてウール製スリープウェアが眠りに入りやすい環境をつくります。

以上5点から、乾燥して冷える冬時期の肌着、パジャマやルームウェアにはメリノウールをおすすめしています。ただ、感じ方には個人差があるので、選択肢のひとつとして考えていただければ幸いです。

繊維以外での選ぶポイント

肌にやさしく、冬の乾燥時期に向いている繊維を選んだとしても、縫製で摩擦が起きてしまえばマイナスです。繊維以外でもチェックして欲しいポイントを解説します。

1)タグが付いていない

肌に直接触れる部分にブランドネームなどの摩擦や圧迫が加わると、かゆみや炎症が起こりやすくなります。首の後ろにブランドネームがないデザインは、肌に当たることがないため、刺激が軽減され、かゆみの発生を防ぐことができます。ぜひ首回りなどはチェックしていただき、痒みが出る場合はカットすることもおすすめです。

2)フラットシーマ(縫製仕様)が採用されている

フラットシーマは、2枚の生地を1枚の生地のように縫い合わせることができるため、縫い目が凹凸せず、平滑な表面が得られます。これにより、肌との摩擦が少なく、縫い目が肌に当たって引き起こされる刺激が軽減されます。生地同士が平らに縫い合わされるため、縫い目も硬くなく、柔軟性や伸縮性が続きます。フラットシーマは縫製仕様としての優れた特性から、敏感肌・アトピーの方にとって理想的な縫製方法と言えるでしょう。

あとがき

寒さや乾燥が身にしみる冬の季節、メリノウールの肌着・パジャマは敏感肌・アトピーの方にとって頼りになる味方です。肌にやさしさと暖かさをもたらす天然繊維のメリノウールを身に纏い、ぜひ快適なリラックスタイムをお過ごしください。健やかな肌と心地よい眠りが、冬の日々をより温かく彩ります。