FACTORY
高松空港から車で一時間、高松と徳島のちょうど間「東かがわ」に弊社はあります。東かがわは明治時代より続く手袋の一大産地で、エールックも1933年に先々代の祖父が創業、革製品の製造を中心に80年以上、今日までやってきました。祖父は高い技術を評価され、昭和天皇の手袋も作らせていただいた実績もあります。
一つのバッグは60ものパーツから成り立っており、およそ250の工程を経て完成します。通常バッグを一つ作るのは、一人の職人が全行程を手がけることが多いですが、我々の場合、各工程を分業で行っています。50年以上も同じ工程を担当している職人もおり、ある意味、一工程を極めるその道のプロともいえます。熟練した技術を持つメンバーがチームワークを発揮し、みんなで1つのバッグをつくる、それがエールックのやり方です。
私どもがバッグ作りにおいて何よりも大切にしていることは「長く使っていただけること」です。長く使えるというのは品質、機能性はもちろん、普遍的なデザインで飽きのこないものにしなければなりません。長年にわたって、つねにお客さまに身近にあるバッグを作っていきたい。いつまでも初心を忘れず、真摯なものづくりを続けてまいります。
革産業が盛んな東かがわ市にあって、なにか地元のものを取り入れた製品を作れないかと考えていました。そんな中で香川県の特産であるオリーブに注目、皮をなめす工程に使用することで、独特の風合いとゆっくりとした経年変化が楽しめる”オリーブレザー”が誕生しました。
ファクトリエのバッグにもこのオリーブレザーを使用し、革独特の匂いを軽減した、人肌にも優しく、透明感のある上品な艶感としっくりと手になじむ風合い、そしてゆっくりと進む経年変化が楽しめるように仕上げました。また、オリーブオイルが持つ保湿成分は革の健康的な状態を長く保つ効果もあり、末永くご愛用いただけます。
他の素材も全て国産素材を使用、金具は国内の金具職人から特別にオーダーで製作いただきました。機能性や使い勝手といったエールックのこだわりは残しつつ、多くの人に受け入れられる良いバッグが出来上がったと自負しております。
エールックを香川の代表企業に育て、メイドインジャパンを世界に発信することで地域や社会に貢献したいと考えています。そのために、まずは働いてくれている社員に、業界でトップクラスの給料を払えるようになりたいです。作業工程を分担し、みんながいて初めて1つのものづくりができるエールックは、一人一人がかけがえのない存在。これからも長い長い歴史を紡いでいくために、私はトップとして適材適所・働きやすい環境づくりに努めてまいります。
明治時代より続く手袋の一大産地・東かがわで1933年創業、革製品の製造を中心に80年以上ものづくりを続ける。地元の特産であるオリーブを取り入れた”オリーブレザーバッグ”は、独特の風合いが高い評価を受ける。業界では珍しい分業制を導入し、チーム一丸となりながら世界へ発信する工場を目指している。
香川県高松市寺井町1358-11