FACTORY
富山市内から電車で約30分、石川県との県境にほど近い小矢部市にTFC北陸工場はあります。もともとは昭和50年に大手繊維商社タキヒヨー株式会社の100%子会社としてスタートしました。しかしながら業界全体としても低コストな海外生産へシフトする中で、子会社といえども徐々に仕事が減少してしまいました。そこで私たちはレディースカットソーのみに特化した工場へ転換していくことになります。高品質なカットソーを作るには縮率の調整や繊細な生地への対応など非常に高い技術が必要になってきます。この技術というのはなかなか海外へは持って行くことはできないのです。そこに日本の工場として私たちが戦える道を見出しました。
カットソーは非常に伸び縮みしやすいものです。縮率(どの程度縮むのか)をきちんと把握してそれをパターンに落とすことが必要です。例えば2%縮むなら2%大きいパターンを作成しなくてはいけません。さらに色によっても縮率というのは変わってきます。それぞれの色に蒸気を当て縮率をチェックし、色ごとに異なるパターンをおこしていきます。また裁断をする際に一度に何枚も生地を積み上げ裁断するのではなく、積み上げる生地を少なくすることで生地へのテンションをよりかからないようにしています。それにより伸び縮みの影響をより小さくすることができ正確な裁断をすることができるのです。
購入されるお客様は基本的に1人1枚です。全体で見ればたった1枚かもしれません。しかしそのたった1枚であっても何かトラブルがあればお客様の信頼を失うことになります。私たちは1点1点丁寧に作ることはもちろんのこと、徹底した品質チェックに力を注いでいます。朝・昼・晩の3回、各担当の責任者が寸法のチェックを行い、また検査員と呼ばれる人たちがこれも朝・昼・晩3回の品質のチェックを行います。さらに同じ商品でも色が変わる際にはその都度パターンナーが入り、パターン通りに仕上がっているかを確認します。目線を変え、人を変え、徹底的にチェックをすることでロスを減らし、返品率を減らし、それがひいては圧倒的なお客様満足へ繋がるものだと考えています。
この工場が今後永遠に続いていくにはどうしたらいいだろうかと考えることがあります。まずは熟練者の持つ高い技術をどのようにして若い世代にバトンタッチしていくのかということでしょう。日本製として恥じない商品を作る技術、それを次の世代へとつないでいくことが私たちの使命だと感じています。そしてさらには品質で勝負できる工場を目指したいと考えています。海外製品と価格を競っても意味はありません。私たちの高い技術をもって高い満足度を適正価格でお客様にお届けをする。それこそが私たち日本の工場が生き残る道だと思っています。
TFC北陸は昭和50年に大手繊維商社タキヒヨー株式会社の100%子会社としてスタート。現在はレディースカットソーに特化した生産を行い、試作設計、裁断、刺繍、縫製、仕上げまでの一貫生産体制を持つ。徹底した品質チェックを何度も行うことでその高い品質を維持している。
富山県小矢部市和沢414番地