FACTORY
新潟市から電車で約1時間。製造数日本一のニット産地と言われている五泉市に、株式会社川島はあります。五泉市という名前の由来は、市内を流れる5つの川からきており、昔はその豊かな水を利用した絹織物業が盛んでした。川島もその一つで、最初は絹織物業だったのですが、先代の想いを受け継ぎニット業に転換、現在は約40台の機械を構え、3Gから14Gという幅広い成型に対応するなど、自分たちがやりやすい規模で日々製品作りに励んでいます。
五泉市の企業が加盟しているニット工業協同組合。特に10数名の組合員で構成される青年部では、普段からしっかりとコミュニケーションをとっています。横の連携が密になっているからこそ、互いに仕事を請け負い合うなどできることの幅も広がり、より製品の質を高めることができます。今回のカーディガンやセーターも、市内にある加工工場と協力し、風合いなどを徹底的に研究して作り上げました。1つの製品は完成するまでに五泉の工場を何度も行ったり来たりします。それだけの協力体制が整っていること、手間がかかっていることは、やっぱり素晴らしいことだと思います。
糸はウール・シルク・カシミヤを最適な割合で混合。加工工場と協力し、糸にマッチングした加工方法を徹底的に追求することで、滑らかな肌触りや風合いに仕上がっています。シルエットは上質なニット製品らしくスッキリと。着た時にストレスのないように、優秀なパタンナーによって型作りがされ、約通常の2倍の時間がかかる「成型編み」で編まれています。この編み方では、生地を裁断する工程を省き、より立体感のある仕上がりになります。これも上質なニット製品の特徴の一つです。裏地までしっかりと縫われた生地は、着た時に肌にストレスを感じないようにしっかりとリンキングされています。
五泉市には、ウチのような製品メーカーや、原料メーカー、商社、資材メーカー、機械メーカーなど、ニットを作るのに必要な資源が全てそろっています。これだけのインフラ整備がされている地域は、全国を見渡してもありません。この恵まれた産地形成をずっと残していきたいですね。今後の夢はニット産地五泉の更なる飛躍です。この五泉市では、本来ならライバルであるはずの同業者も互いに助け合って仕事をしています。これは、1つ1つの工場が「自分たちだけが」という思いを捨て、五泉全体のことを考えている証だと思います。これからもニット工業協同組合を中心に、五泉市全体で頑張るという思いでやっていくつもりです。
昭和11年10月 創業者川島秀雄が絹織物業で創業開始
昭和21年 メリヤス業に転換
昭和35年 川島メリヤス株式会社
平成5年 株式会社川島に社名変更
平成15年 川島幹生が代表取締役就任
新潟県五泉市駅前2-2-9