FACTORY
1969創業、現親会社である株式会社エミネントの自社工場として、スラックスの縫製業をスタート。長崎の北端、松浦市で2工場・200名以上にも及ぶ社員がものづくりに励んでいます。松浦市はかつて炭鉱の町として栄えましたが、私たちが創業した頃から徐々に工業が発達し、今に至ります。1日に7000本を生産していた時代もあるほどで、スラックス専業としては国内最大級の工場でしょう。
高価格な商品を作り続け、自社工場での生産にもこだわり続けてきましたので、高い技術やノウハウは蓄積されていると思います。ファクトリーブランドも今まで何度か考えましたが、できた商品を売るという観点からやはり実現は難しく、OEMで仕事を受けてきました。ですので、今回のファクトリエの商品作りは本当にありがたいです。やはり私たちの想いが履いてくださるお客様に直接届くというのは素晴らしいことですし、理想でもあります丁寧に作った良いものが、きちんと伝わることが嬉しいですね。
45年以上スラックスを作り続けてきた私たちは、日本人男性の体にフィットするパターンを熟知しています。そのパターンを追求するため、独自機械を開発し、脚のラインに沿う立体的なシルエットを実現しました。特筆すべきはヒップラインの「くせ取り」と呼ばれる、まっすぐなラインしか描けない生地を、プレス機の圧力と蒸気によって立体的かつ丸みのあるラインにすることです。これにより、細身でありながらもヒップの丸みに抜群のフィットラインが生まれます。
ものづくりに少しでも疑問が湧いたときは立ち止まり、妥協をなくすようにしています。YKKと共同開発したファスナーもその一つで、新しいものをどんどんつくる労力を私たちは惜しみません。そのために管理職クラスはいろいろなところに出かけ、視野を広げるようにしてもらっています。今、エミネントスラックスの社員は平均年齢46歳、平均勤続22年と、主にベテランの方で構成されています。私の願いは働く人たちに、自分たちが作るものがどう売られ、どのようにお客さんに広まっていくのかを見せてあげたい。点じゃなく、線でものづくりの流れを体感してもらうことで、エミネントのスラックスがどれだけ愛されているかを知ってもらい、仕事に誇りを持ってもらえればと思います。
1969創業、国内最大のスラックス工場。スラックス専業メーカーならではの知識と経験を活かし、穿き心地の良さや型くずれしにくいシルエットを長年研究してきた。その結果、123という一般的なスラックスの約2倍の工程を経たスラックスが誕生した。
長崎県松浦市志佐町浦免1676